首筋、前足、かぎ爪
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数秒前までは背が高く厳格で大抵人を萎縮させていたギアーズ博士は、今や小さな、ふわふわの猫だった。ああ。猫だった。とても年寄りの、痩せた猫だった。ギアーズがあなたに渡そうとしたテープは床に落ち、不愉快な音を立てた。あなたは明らかにそれがあらゆる種類のミーム的な災いに満ちていることにひるんだ。だが世界中の生物を恐怖の渦へと叩き込む活動は(おそらく)適切なVHS機器が必要なのだろう(そしてあなたはそういったものをもっていなかった)。自分はギアーズが猫だと言及しただろうか?突然彼は猫になった。クソッタレな猫に

あなたは瞬きした。方向転換した。震えていたエージェント・ラメントが突然ベンガル猫になり、それの個人的な部分を何気ない様子で掃除していた。彼の個人的な部分だ。あれはたぶんエージェント・ラメントだった。高確率でそうだろう。何かがあれは彼だとあなたに言った。どうやってか。

あなたはその忌々しいカセットを床に置けと言われたことについて考えたが、それにあらがおうと決心した。カセットはおそらく触っても安全だった。しかし、この世界のもっとも一般的な意味において実際に安全であるから、財団はセーフに分類するのだ、ということをあなたは理解していた。

それもまた、あなたがそこらじゅうにいる猫に触るのは間違った行為だと判断したことの理由だった。ギアーズ猫はそうではないと判断し、テーブルから飛び降りるとあなたの脚に自分自身をこすりつけ始めた。そして毛をつけた。そして身繕いした。あなたは仕事に白いパンツを履いてきたことを後悔した。薄い黒い毛が至る所についた。以上までのパラグラフで起きたことはすべて1分以内のことだろう。

あなたはラメント猫が不意に彼の推測を証明しようとしているのを見て数歩後ろに下がろうとし、出来るだけ早く大声で叫ぶべきだと思った。

廊下には猫が多すぎた。そしてエレベーターにも。サイト管理官の事務所(そう、事務所。権力の頂点にいる彼らは1つの公的な事務所と研究資料のためのオフィスを持っていた。なぜって、あなたが両方の場所を調べなければならない誰かを必要とするときに…便利だから!)そこは、ありがとうございます主よ(だれでもそう思うだろう、残された時間で視聴する1最後の人間になるに違いないと。守衛の代わりに、そこには猫たちがいた。)。

その瞬間あなたはどんなにくそったれな状況なのかということと、財団全体の運命があなたにかかっているということに気づいた。

あなたの人生はマシな日々だった。2

事務所の中でほんのわずかでも有用な物を探しているとき、あなたは自分が現実歪曲者である可能性について熟考した。一瞬あなたは棚からラメント猫をほんの少しあなた好みにした猫がこちらをじっと見つめているのを想像した、実際には、エージェント・ラメントを。なにも起こらず、この推論は捨てられた。

そして、ラメントがあなたを腹立たしげに見つめていたので、あなたはこのくそったれな問題を早く解決出来るように急いだ。ギアーズ執政官はこの状況での身の処し方を見つけ、なぜかあなたのふくらはぎに再び体をこすりつけていた。

あなたはやっと、エレベーターの鍵を見つけた。やった。

あなたがエレベーターに向かうと、思いがけないことにラメントとギアーズも後ろをついてきた。あなたはエレベーターのドアを使って彼ら(多すぎる)を傷つける勇気が持てず、この猫どもはとうとう侵入した。あなたは何気なく監視カメラの正面を見ていられるようにふるまい、キーを使って、エレベーターが施設の普段隔離された区域に連れて行ってくれるのを待った。

O5の場所だった。あなたは状況の深刻さにも関わらず興奮した。あなたはギアーズを撫で、よくやったと言うように、そしておそらくアナタヲリラックスさせるために、ギアーズはあなたの指をなめ始めた。ラメントは賞賛するかのようにあなたを爪でひっかこうとしたが、爪を持っていなかった。にもかかわらず、彼は虚勢されていなかった。それはとても不快だったし不必要だった。

あなたは美学的見地からするととても素晴らしい、新しい通路に入った。誰かが磨き上げた壁と床は黒く滑らかでとっても長い良い道で、血なまぐさく滑稽だった。あなたは慎重に踏み入り、辺りを見渡した。

そこはラメントが不快なノイズを起こさず、廊下のあちこちを走り回らなかったら静まりかえっていただろう。ギアーズは動きたがらなかったので、あなたは彼を腕で抱えた。あなたは指に触れる毛皮の感覚と、毛皮の肌の薄いレイヤーを通じて感じられる彼の骨の感覚を無視しようと努めた。少しの障害はあったが、抱えられ、実際あなたの腕の中にぴったり収まったギアーズはすこしかっこよく見えた。もしそうでなくとも、彼はかっこよかっただろう、あなたもしっている通り、ギアーズなのだから。

今どこにいるんだ?あなたはラメントを追った。床にある足の痕跡(幸運なことに、あなたのものも含め足跡はすべて見えていた。それはあなたのパラノイアを助長せず、あなたの頭の中のとっても素晴らしい財団を粉々にもしなかった)と輝く、輝く廊下があなたを、1つの大きなテーブルと13の椅子、そして大きい、大きい赤く輝くボタンがテーブルの上に置かれている暗い部屋へと導いた。ここには猫はいなかった。

輝く、金属で出来た文字と数字がボタンの上に形作られていた。"SCP-2000 血にまみれた理由無くして押してはならない"。その隣に猫が座り、彼が持っていない爪をボタンを保護するガラスの下に入れようとしていた。そして、猫は黒く、影から作られていたが、まだラメントの毛皮のパターンを幾分維持していた。そう、おそらくラメントだった。どうやってか。あなたは尋ねないことにした。

ギアーズはあなたの腕の中で注意深く動き、あなたは彼をテーブルに置いてやった。彼は影の猫ラメントに近づき、足で彼を追いやった。ラメントは驚いたように彼を見つめ、数歩下がった。どうやってか、影のようなものは消えた。これが最初の場所なのか?あなたはそう長い間考えられなかった。ギアーズがガラスケースを開きあなたを、待っているかのように見つめたからだ。

さあ。

財団が猫に埋め尽くされているというのは、ボタンを押すに十分な理由だろうか?

後ろから聞こえてくる不自然な金切り声があなたにそうだと確信させた。あなたは不滅のヤモリが猫化したものに会いたくはなかった。

あなたは輝く赤い大きなボタンを押し、今度は-7Cの肌を、寄り添うのが難しくなるものを持たないよう静かに願った。

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