太陽技師の最後のメッセージ
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アイテム番号: SCP-9592E-JP

オブジェクトクラス: Keter-potissimi

特別収容プロトコル: SCP-9592E-JP並びにその罹患者の収容は成功していません。SCP-9592E-JPに罹患していない職員はただちに回収され、各地のセーフゾーンに移送されます。セーフゾーン内で罹患者が発生した場合は該当職員を終了処分します。

説明: SCP-9592E-JPは財団職員にのみ発症、拡散が確認されている精神疾患です。その発生源は判明していませんが、罹患者との直接的な接触により拡散がされることが判明しています。SCP-9592E-JPの罹患者は程度の差はあれど「財団こそが最も素晴らしい組織であり、財団職員は選ばれし存在である」と非常に高慢になります。同サイト内で罹患者が増加しその行動を抑えられなくなるようになると自身が所有する物品、権利を自身の欲求を実現させるために行使するようになります。

2017/7/4: サイト-19にて最初のSCP-9592E-JP罹患者であるチャック・T・ホール研究員が確認される。ホール研究員は即座に収容された。

2017/7/9: ホール研究員の収容に携わった職員並びに交流のあった職員がSCP-9592E-JP罹患者となる。

2017/7/12: サイト-19の77%がSCP-9592E-JP罹患者になる。これよりサイト-19は無期限の自己収容とすべての職員との接触の禁止が命令される。

2017/7/14: エリア-04にて同様の事案が発生する。

2017/8/6: サイト-25、サイト-44、サイト-78において同様の事案が発生する。またサイト-78との連絡が途絶する。所属する全職員がSCP-9592E-JP罹患者になったと推測される。これを受けて制御不能に陥った財団施設を対処するために機動部隊オメガ-18("革命者達")を編成。

2017/9/9: 9%の財団施設との連絡が途絶する。

2017/10/6: サイト-44の周辺において"財団"による民間人とアノマリーの接触事案が発生。機動部隊オメガ-18が出動するも民間人の所在は不明。

2017/10/16: インド共和国ニューデリーにおいて民間人のDクラス職員への雇用が確認される。警察、軍隊の出動がなされるもアノマリーを装備した武装職員に全員無力化される。

2017/10/21: 全世界で523の地域でニューデリーと同様の事案が確認される。この時点で財団施設の45%がSCP-9592E-JP罹患者の影響下にあると推測される。

2017/11/3: イタリア共和国の首相が殺害され、次期首相としてサイト-77の管理者が就任する。これに対し周辺国家は称賛の意を表した。

2017/12/24: イタリア共和国並びにその周辺国家である13ヶ国が"財団"の意向に従うことを表明した。これに対しGOCは武力行使を宣言。

2017/12/25: GOCの軍事施設に対して"財団"による突発的な攻撃が開始された。なし崩し的に戦争が勃発する。オメガ-18も参戦するも敗北。主要人物が処刑された。

2017/12/28: SCP-9592E-JP罹患者ではない職員を保護するセーフゾーンを[削除済]に設営。移送を開始した。

2018/1/1: 160ヶ国の首相、大統領に"財団"関係者が就任。民間人への扱いに関する条約を互いに締結した。

2018/2/13: セーフゾーンの職員が8000人を越える。尚以降も影響を受けていない財団施設との連絡ならびに職員の移送は続行される。

2018/4/22: エリア-05、エリア-06、サイト-99との交信が途絶。

2018/5/10: 国連の決議により"財団"への隷属が可決される。

2018/5/16: エリア-56との交信が途絶。

2018/5/23: サイト-13との連絡が途絶。本事案を以てすべての財団施設がSCP-9592E-JP罹患者に陥落したと判断された。

2018/7/9: セーフゾーンから50kmの地点において"財団"の支配下にある集落の存在を確認。

2018/7/25: 資材供給に用いていた各種インフラが完全無欠に沈黙。いくつかのアノマリー使用による状況の改善が許可される。

2018/8/1: セーフゾーンから10kmの地点でSCP-9592E-JP罹患者と推測される存在を複数確認。

2018/8/4: セーフゾーンから9kmの地点でSCP-9592E-JP罹患者と推測される存在を確認。これまでの情報からすでにセーフゾーンの位置を特定していると考えられる。

2018/8/8: セーフゾーンに向かうSCP-9592E-JP罹患者の集団を発見。

防衛用のプロトコルはすべて破られた。奴らがここを占領してからもう3時間ほどが経つ。私はたまたま入ったアノマリー保管庫で籠城をしているためなんとかなったが他の職員はどうかは分からない。それに私もいつまで無事かは分からない。

しかし何やら通知が来たと思ったら、緊急事態につき無事な職員に臨時のクリアランスレベルを付与するようだ。同時に添付されていた文書にはどれも実現さえすればこのバカげた事態をどうにかする手段が並んであった。誰でもいいからその場で実現可能な手段を行使しろということらしい。

私は保管庫に逃げたということもあり必死になってリストにあるオブジェクトを探した。大抵は大きかったり危険なものでありセーフゾーンまで持ち込めないものだったが、ついにリストの最後にあったとおぼしきルーズリーフを見つけた。

しかし実際になんとかなるかは分からない。そう思うと何かを書かずにはいられない。だからこれは私の遺書にようなものだ。誰が見るかは分からないが1つ書かせてもらう。

今年の2月あたりに同じサイトにいた職員がSCP-9592E-JPに罹患した。あまりに唐突すぎて状況が理解できなかったがそんなことはどうでも良かった。その時は逃げることしか考えていなかった。

幸いにも私は運良く助け出された。もちろん入念な検査は受けたもののなんとかこのセーフゾーンの仲間にはいることはできた。

ここでの仕事は主に施設補修であったがそんな私にも周りの状況は嫌でも耳に入った。やれあのサイトが侵された、やれあの国はもう滅んでる。そこまで高尚な考えなんか持っていなかったが、人類を守るということを忘れた財団の姿を見せ続けられるつらさは筆舌に尽くしがたいものだった。

それでもいつかは、いつかは何とかなると思って頑張ってきたが結局この有様だ。ついに所在がバレたか今扉をむちゃくちゃに叩かれている。破られるのも時間の問題だ。

今私が書いているこのルーズリーフは、書いたものをフィクションにするというオブジェクトだそうだ。だから私はこの事の顛末の記した。この腐りきった財団を全部物語にしてしまうために。

これでうまくいくかは分からない。だがやらないことよりはマシだ。

こんな惨劇はフィクションで十分だ。

セーフゾーン技術部所属: 太 陽

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