変わり者の末路
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概要紹介: ██県██郡において原因不明の爆発が発生しました。爆発の中心点である御堂芳行氏邸から半径3kmまで爆風が及び、範囲内の建造物の損壊、███人の死傷者という甚大な被害が生じました。
発生日時: 20██/██/██
場所: ██県██郡
追跡調査措置: 調査の結果、爆発物と思しきものは発見されませんでした。







夕日も山に隠れてよく見えない暗い道、胃に大きな穴が空いていると診断された御堂芳行は歩いて15分ほどの帰路をとぼとぼと歩いていた。痛みは少ないもののなんとなくの違和感があるお腹をいたわりながら、大量に持たされた薬を一瞥してはため息をついた。痛いというだけが御堂を落ち込ませているわけではない。最大の理由は医者からの「しばらくは消化にいいものを食べなさい」というアドバイスである。

御堂は三度の飯より飯が好きと言うほど食べることが好きである。しかしそれは決してグルメということではなくどちらかというと一般的な感性からはずれているものであった。ご飯とマーガリンを混ぜたものが主食。ふざけて持ち込まれたシュールストレミングを平然とたいらげる。月に10キロのタバスコが消えてなくなる……なんてことが日常であった。

その上お土産のなれずしを食べたあたりからその食生活はさらに悪化した。芽どころか花まで咲いたジャガイモを使う、消費期限が3年前のものを貰って食べるなど単なる趣味嗜好の範疇には収まらなくなってしまった。これでも御堂は美味しい美味しいといい食べ続けるのだ。

そんな男が取る選択肢なのだからまともな食べ物になるはずがなく、消化にいいものと本人が思い込んで取り出したものは瓶に詰められたもはや原型を無くした"何か"であった。ドロドロしているから食べやすいと言うがまず食べる物ではない。しかしその汚臭もする物体にマヨネーズとピーナッツバターをたんまりとかけて美味しそうにたいらげた。これで本日の夕食は終わり。

否、大事なものを忘れていたと御堂は再度冷蔵庫に歩み寄った。味覚が完全に崩壊しても尚大好きなデザート。先日スーパーで安売りしていたものを大量に買い込んで保存していたそれを2つ取り出しそして貪るように食した。

噛み砕かれた杏仁豆腐は御堂の胃まで確かに到達した。

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