SPC-1666-JP
評価: +6+x

中央情報管理局ならびにプロジェクト運営事務局(CICAPOCO)による通達

インシデント/1666-JP(展開記録を参照)によるセンター屋久島支部処理棟の倒壊により、SPC-1666-JPは現在休止中です。処理棟の修復および改修作業が終了し次第、プロジェクトは再開される予定です。

spc-1666-jp.png

巡回から帰還した直後のCLUB RED。この日は鮫科存在との遭遇報告は無かった。

プロジェクト番号: SPC-1666-JP

鮫科殴打ケイパビリティ: SPC-1666-JPが鮫科存在の転送能力を発揮することで、鮫科存在に利する周囲の環境が失われ、センターの職員が鮫科存在を殴打するのに非常に有利な状況が創出されます。そのため、SPC-1666-JPはセンター屋久島支部の活動を円滑に進めるための大きな役割を担っています。

プロジェクト構成: SPC-1666-JPは改変されたCLUB RED(ベニシオマネキ[Uca chlorophthalma crassipes]の異常な個体群)を構成要素に含んでいます。センター屋久島支部では現時点で401匹のCLUB REDが飼育されており、現在までに30匹に対して改変が行われてきました。プロジェクト維持を目的としたCLUB REDの繁殖活動が引き続き推進されています。

CLUB REDは1本の巨大な鋏脚に第一の異常性を宿しています。CLUB REDが鋏脚を用いて魚類(以下、対象)を殴打すると、CLUB REDの鋏脚と殴打された対象の双方が直ちに消失します。この際、CLUB REDの鋏脚は根元から胴体と分離しますが、脱離から12時間後までには部分的な脱皮が複数回行われ、以前の大きさの鋏脚が再生します。

対象および消失した鋏脚は、CLUB REDの持つ第二の異常部位である胃へと転送され、対象の大きさを無視した消化・吸収作用を受けます。対象に小型カメラを取り付けて行った実験の際、CLUB REDの胃の内部はその所有者の全身より明らかに大きな容積を有していることが発見されました。CLUB REDの解剖実験においては通常のベニシオマネキと同等サイズの内臓しか確認されなかったこと、並びに後述の追加物品に関する記録から、CLUB REDの胃は体内にある場合のみその内部が非ユークリッド空間となっていると考えられています。

CLUB REDの異常性が発現する対象となる魚類に関しては大きさの制約は存在しないと推測されていますが、魚類の死骸および魚類ではない生物(哺乳類・節足動物を含む)に対しては異常性は発揮されません。一方でCLUB REDは食性として魚類を好んでいるわけではなく、通常時は小さい側の鋏脚で砂や泥の中の有機物を摂食しています。

CLUB REDは通常のベニシオマネキと同様の生活環を有しており、夏に産卵と繁殖を行い、冬の低温期には巣穴の中で活動を低下させています。飼育下での寿命は5〜7年程度です。

追加物品概要: センター屋久島支部に所属する花崎博士は、生体のCLUB REDに対して外科手術を行い、胃を摘出することに成功しました。切り開かれた胃の容積は通常のベニシオマネキとの差異は見られませんでしたが、その内壁に接する空間へ元の所有者であるCLUB REDが殴打した魚類を転送する機能は保持されていることが判明しました。胃を失ったCLUB REDはその後最大で15日間生存可能であることも加えて確認されました。

手術によって取り出され切り開かれたCLUB REDの胃は、センター屋久島支部の処理棟へ集められ、保存されることが決定されました。この処理棟もSPC-1666-JPを構成する一要素として分類され、鮫科存在を殴打する職員が常駐しています。

展開記録: 以下は、屋久島南部の海岸・沖合に出現する複数の鮫科存在に対し、SPC-1666-JPを用いて交戦した際の諸記録です。

展開記録/1666-JP-1

日時: 2017/07/25 11:35
対象: CARCHARHINUS LIMBATUS(鮫科原種、一般名:カマストガリザメ) 1頭
戦闘職員: エージェント・諏訪井、エージェント・多羅場

交戦内容: 改変済のCLUB RED 1匹を所持したエージェント・諏訪井が海岸から300mの沖合で当該鮫科存在と遭遇。エージェント・諏訪井はCLUB REDを鮫科存在へと投擲し、対象に取り付いたCLUB REDは鋏脚を用いて殴打。直後に対象は現場から消失し、センター屋久島支部の処理棟内で待機していたエージェント・多羅場の元へと転送された。対象はエージェント・多羅場の手によって適切に腹部を殴打され、処理された。

展開記録/1666-JP-2

日時: 2017/08/02 14:07
対象: SPHYRNA LEWINI(鮫科原種、一般名:アカシュモクザメ) 16頭
戦闘職員: エージェント・諏訪井、エージェント・多羅場、花崎博士

交戦内容: 改変済のCLUB REDを封入した弾を発射可能なスリングショットを所持したエージェント・諏訪井が、海岸から270mの沖合で当該鮫科存在の群れと遭遇。エージェント・諏訪井は群れに対してCLUB RED弾を23発発射し、対象に取り付いたCLUB REDの殴打によって群れの全個体を転送することに成功。対象はエージェント・多羅場によって適切にロレンチーニ器官を殴打され処理されたが、頭数が多かったため途中から花崎博士も殴打作業に参加した。

補遺: 命中しなかった7匹のCLUB REDの回収に失敗。

展開記録/1666-JP-3

日時: 2017/08/10 13:29
対象: CARCHARHINI MULTIFORMES(鮫科変種) 1頭
戦闘職員: エージェント・諏訪井、エージェント・多羅場

交戦内容: 屋久島南部の海岸を当該鮫科存在が襲撃したため、付近の駐在所に待機していたエージェント・諏訪井がCLUB REDを携帯して急行。CARCHARHINI MULTIFORMESは3個の頭部と背鰭が発達した1対の翼を持つ鮫科変種であり、高度3〜5mの空中を高速で飛行することが可能である。複数の顎から繰り出される連続噛み付きによってCLUB REDが捕食され、エージェント・諏訪井は窮地に追い込まれた。ところが、その後の交戦中に突如として対象鮫科存在が消失し、センターの処理棟へと転送された。対象は狭い室内で身動きが取れなくなったため、待機していたエージェント・多羅場によって問題なく殴打・処理された。

補遺: これは、CARCHARHINI MULTIFORMESに捕食されたCLUB REDが、対象の上部消化管を内部から殴打したことによるものと思われる。なお、処理後に切開された対象の上部消化管からは、エージェント・多羅場による外部からの殴打によって粉砕されたと思われるCLUB REDの残骸が見つかった。

インシデント/1666-JP

日時: 2017/08/12 22:41

内容: センター屋久島支部の処理棟に突如としてARENA MEGALODON 1頭が出現。当該鮫科存在は全身が砂礫で構成されており、全長約40mに達する大型の鮫科変種であったため、処理棟が砂で充満したことで内部から破壊され、倒壊した。その後、当該鮫科存在は空気に晒されたことで風化し、大量の砂と海水へ分解した。このインシデントにより、屋久島支部は処理棟の設備とCLUB REDの胃を全て喪失する結果となり、SPC-1666-JPは一時的に休止状態となった。

補遺: 展開記録/1666-JP-2において、エージェント・諏訪井によってSPHYRNA LEWINIの群れに向けて発射され命中しなかったCLUB REDが、のちに海底で遭遇したARENA MEGALODONを殴打したことによって今回のインシデントが発生した可能性が指摘された。エージェント・諏訪井は叱責を受け、プロジェクト運用後のCLUB REDの胃の管理体制が見直される運びとなった。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。