スヴェルドロフスク-災害記録:79年
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この録音は元GRU"P"エージェント部局の職員であったエージェント・イヴァノフによってもたらされたオープンリール式の記録テープです。1979年に現在のロシア連邦スヴェルドロフスク州エカテリンブルグで引き起こされたSCP-008と思われる異常な症状を引き起こす細菌による生物災害についての証言が記録されています。1全編8巻に渡る録音ですが、このうち3~6巻及び8巻は未だ発見されていません。

録音された記録テープには『スヴェルドロフスク-災害記録:79年』と記されたラベルと共に下記のメモが張り付けられていました。

私は遺さねばならない、あの血の上の救世主教会の人々の事を
エカテリーナの名を冠したあの町の人々の事を

エージェント・イヴァノフはテープについてに下記のような証言を残しています

対象: エージェント・イヴァノフ

インタビュアー: ████博士

<録音開始>

████博士:このテープは一体何処で入手したのですか?あなたが "P"部局に勤めていたときには既にアリべコフ氏は退役していたはずですが。

エージェント・イヴァノフ: アリべコフ退役准将は表向き退役していただけでしてね、実際は顧問としてたびたびGRU内の仕事に関わっていました。アドバイスにカウンセリング、聞くこと、答えることに関してあの老いぼれ准将はなかなかのものでしたよ。

████博士:なるほど、それでどういった経緯であなたの手に渡ったんです?

エージェント・イヴァノフ:買い取りました、何でもある将官が孫にプレゼントをしたいとかでちょっとした収入が必要だそうでして、問題は彼に息子も孫もいなかったという事ですが、詮索しないのが得策と考えました。

████博士:買った?機密書類を?

エージェント・イヴァノフは呆れたような顔で肩をすくめながら答えました。

エージェント・イヴァノフ:はい、私が勤めていたあの頃はもう殆どありませんでしたが、名目をつけて情報を記録し、切り売りするエージェントが結構いたんですよ、ソビエトが崩壊したあの頃は特に。

<録音終了>

終了報告書: この時、このインタビューの様子を裏で計測していたエージェント・███によるとエージェント・イヴァノフは最後の発言時、心拍数の増加及び少量の発汗が認められ、さらなるインタビューによる追及が必要であると判断されました。

これは第2回目のインタビュー記録です、心拍数の不審な上昇についての証言をエージェント・イヴァノフに求めました。

対象: エージェント・イヴァノフ

インタビュアー: ████博士

<録音開始>

████博士:エージェント・イヴァノフ、あなたはまだ我々に隠している事があるのではありませんか?それについて先に話していただきたい。

エージェント・イヴァノフ: あー、やっぱりばれますかね、まいったな……ああ、あの老いぼれのクソ退役准将閣下は私の養父に当たる人でしてね、出来れば名誉を守りたかったのですがいいでしょう。ふむ、実はあの秘密指令-443なんですが、一般市民の虐殺を含むものなんですよ、一定の重要度を含む施設、文化財や軍事施設、研究所の職員を除く全ての住人を街ごと始末し、新たな住人を移住させて入れ替える、彼はそういう指令を命じました。幸いにも虐殺の内容を証言したテープは失われていたので黙っていればばれないと思ったのですがね。

████博士:当時、あの町に住んでいた住人の数は……

エージェント・イヴァノフ:80万人程度です、作戦には一月ほどかかりましたが、重要施設に逃げ込めた住人や予防措置の検疫によって選別された20万と少し以外は皆死にました……もっとも半分以上は008によってゾンビとなっていましたから、実際に殺された無実の一般市民は30万ほどでしょう。

████博士:それはどのように……?

エージェント・イヴァノフ:決まっているじゃないですか、可能な区域はナパームで焼き払い、無理な場所は兵士が狩りだして射殺しました。あれが蔓延するよりはよほどましだ。しかしそれを命じさせたのがあの老いぼれと考えると少しは口をつぐみたくなるものなんですよ、あれでも一応は育ててくれた親だった。

<録音終了>

3日目から6日目の記録について、エージェント・イヴァノフは予算の都合上買い取ることが出来ず、現在はロゴス・コーポレーションによって保管されているとの証言が得られました。現在この記録を確保するため、潜入工作が検討されています。

エージェント・イヴァノフはこの事件について下記のような補足を証言しています。

対象: エージェント・イヴァノフ

インタビュアー: ████博士

<録音開始>

████博士:エージェント・イヴァノフ、結局のところこの事件はどうして起こったのですか?

エージェント・イヴァノフ: それは調査によって判明しています。証言の一日目あの怪物の研究を行っていた女研究者、タチアナ・クルニコワによって引き起こされたものです。彼女はあの事件が起こった日、助手を殺害しエアロゾル化した008を散布したうえで自殺しています、表向きは。

████博士:表向きは?それは一体どういうことですか?

エージェント・イヴァノフ:彼女は死を偽装して逃走しました、エアロゾルの散布が行われる直前に風上の方向にヘリで逃走したのが映像記録で確認できます、貯蔵量を確認するにおそらく008を持って。

████博士:つまり収容されていないSCP-008が存在すると?そういう事……なのですか?

エージェント・イヴァノフ:はい、ゆえに私はこの記録を養父の命でロシア中から買い集めました。高い買い物でしたがこの証拠があれば機動部隊を動かす口実を作れる、少なくともフィールド・エージェントを派遣して調査を行うだけの大義名分は作れるでしょう、それが私と養父の目論見です。ロシア政府にはこれを再び調べて事件を表ざたにするリスクを冒す気概はありません。私は、未収用のSCP-008を探索するチームを作る必要性をここに提案します。

<録音終了>

このインタビュー後、O5-6の認可の元でロシア国内のSCP-008を探索するための調査チームが結成、運用が開始されました。しかし20██年現在、未だこの未収容のSCP-008の行方は判明していません。

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