テイク-81
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やあ、██君。研修はどうだったかな?はは、まあ来たばかりだからね。慣れないのも仕方ない。
ところで今日は何の話をするんだったか……ああ、CK-クラス:再構築シナリオについてか。
そうだな……君は『世界5分前仮説』って知っているかい?

そうか、じゃあ……君には幼少期の記憶というものはあるかね?ご両親と楽しく過ごしたかい?……ああすまない、デリカシーに欠けていたな。
何にせよ君は幼少期の記憶を持っているわけだ。楽しかったこと、辛かったこと、色々あっただろう。

さてここで質問だ。その記憶は"本物"かな?

ああ、そう気を悪くしないでくれ、考えてほしいんだ。確かに君は主観的な体験記憶として幼少期の記憶を持っているが、それは世界を創った何者かによって植え付けられた記憶なんじゃないか?それが事実であったと客観的に裏付けができるのか?ということなんだよ。
「客観的裏付け」を仮に君が見つけられたとしよう。でもその「客観的裏付け」は君が主観的に「客観的裏付け」と判断できたものに過ぎないわけだ。例えば財団はよくカバーストーリーを流すけど、あれだって一種の再構築なわけだよ。つまり財団のカバーストーリーであることを知らない人々にとってカバーストーリーこそ「客観的裏付け」であり、しかし「カバーストーリーは真実ではない」という厳然たる事実は存在するわけだ。

こうして君の記憶が本当に正しい、少なくとも主観を離れた絶対的事実として正しいと言うことはできなくなってしまった。どんなに裏付けを持ってきてもそれは主観で選ばれた裏付けに過ぎない、全ての裏付けは主観に晒されて初めて許容されるけど、主観に晒されて選定された以上客観的絶対的事実とはもう言えなくなってしまうんだ。

そう、CK-クラス:再構築シナリオというのはKeterクラスオブジェクトによって全世界に流されたカバーストーリーなのさ。再構築がこの瞬間起こったとして、誰がそれに気付ける?例えば4分前に君が私の研究室に戻ってきたのも再構築の結果で、それ以前は二人共全然違う職務に就いていたかもしれない。私が今「例えば」と言ったその直前に世界が再構築され、それまでの会話は予め持たされた記憶なのかもしれない。それでも私達は再構築に気付けない、気付いてもそれを証明できない、これこそが再構築の恐ろしさなのさ。

だからこそ我々は再構築を絶対に防がなくてはならにゃ……ああもうまた噛んじゃったよ……格好良くキメたいのに……ごめん、少し待っててくれるかい?
 
 
 
 
 
 
よいしょっと。
 
 
 
 
 
 
やあ、██君。研修はどうだったかな?はは、まあ来たばかりだからね。慣れないのも仕方ない。
ところで今日は何の話をするんだったか……ああ、CK-クラス:再構築シナリオについてか。
そうだな……君は『世界5分前仮説』って知っているかい?

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