クレジット
How To Clean A Polyester Dress
TERF1、爛れた生活環境、操り人形についての中編小説。
緋色のキリスト2
児童失踪、隠し通路、官僚主義の肥溜め──何か邪悪なことがミシシッピ州ホワイトウォーターで起こっている。
Black and White and Red All Over
ネオナチがアウター・リヒテンベルクに侵攻している。反撃の手綱を握るのは住人たちだ。
When Will You Die for the Last Time in my Dreams
『スペードのハウス』の興亡、そしてその狭間の瞬間とき。
最善を尽くそうとする財団の話。
- SCP-3721: Obsolete Weapons System by UraniumEmpire
- SCP-5012: There Is No Escape From The Bottomless Pit by UraniumEmpire
- SCP-378: 頭の虫 by UraniumEmpire
- SCP-4776: レーガンウェポン by Rounderhouse
- SCP-4495: 豚達の神 by UraniumEmpire
- SCP-2677: 錯乱状態 by UraniumEmpire
- The Last Things Dr. Darryl Loyd Ever Did, in Chronological Order by UraniumEmpire
- SCP-166: I Was a Teenage Succubus by UraniumEmpire
むなしき獣たちと、彼らが引き起こした損傷の話。
- Qlippoth and Sefiros by UraniumEmpire (Wanderer's Library)
- ナドックスとメカニト by Metaphysician and UraniumEmpire
- jacklyn diamandis, accountable to nobody by UraniumEmpire
- SCP-4886: The Cop and the Countryside by UraniumEmpire
- SCP-5952: The Warbalang by UraniumEmpire
- SCP-3178: Through God, All Things Are Possible by UraniumEmpire
- i was a teenage shoggoth (Ween cover) by UraniumEmpire
- SCP-4947: The Fault and the Fistula by UraniumEmpire
異常な世界で生きる人々の話。
- 企画案2008-041: “世界を燃え立たせる火花” by Ralliston
- How To Remove Glitter From A Polyester Dress by UraniumEmpire
- How To Remove Kerosene From A Polyester Dress by UraniumEmpire
- How To Remove Human Blood From A Polyester Dress by UraniumEmpire
- How To Remove Spinal Fluid From A Polyester Dress by UraniumEmpire
- Polyester Woman (Epilogue) by UraniumEmpire
- Beef Albini in Fusion Sauce with a Side of Fruit by UraniumEmpire (adult)
- A Crack in the Porcelain by UraniumEmpire (adult)
- Ess, Why, Dee by UraniumEmpire (adult)
- Filled to the Brim with Girlish Glee by UraniumEmpire
- NINEEIGHTNINENINENINE by UraniumEmpire
- Let Me Borrow The Map by UraniumEmpire
- Degenerate Art by UraniumEmpire
- Last Minute Resistance by UraniumEmpire
- Staining Boss's Silk Sheets by UraniumEmpire
- INTERMISSION: Like a Fly by UraniumEmpire
- A Cloud Over Lichtenberg by UraniumEmpire
- I want that twink Obliterated by UraniumEmpire
- 企画案2014-1221: “遂に目を覚ます” by Uncle Nicolini
- INTERMISSION: Sleeping with(in walking distance of) the Enemy by UraniumEmpire
- David Cameron Fucked a Dead Pig by UraniumEmpire (adult)
- SCP-6165: Ramadan by LightlessLantern
- SCP-5444: How To Disappear Completely by UraniumEmpire (adult)
- Are We Gentrified Yet? by Uncle Nicolini and UraniumEmpire
- SCP-952: NPロック by UraniumEmpire
- D-7294's Declassified D-Class Survival Guide by UraniumEmpire
- Baptism of the Wandering Jew by Johnny the Son by UraniumEmpire
物事をより良くしようとする (そして多くは失敗する) 組織たちの話。
- Species of Interest-004 by UraniumEmpire
- SCP-5931: 誰も俺に撃たなかった by Hydrails-EPSILON
- SCP-3874: 六百死一生 by Uncle Nicolini
- A Dove In A Chicken Pen by UraniumEmpire
- Irregularity Proposal: 2001-489 by UraniumEmpire
- SCP-5994: You Can't Top Pigs with Pigs by UraniumEmpire
- アンブローズ・バックドア・ソーホー by UraniumEmpire
- SCP-654: サンダーホーン by Uncle Nicolini
何らかのかたちで起こったかもしれないし、起こらなかったかもしれない話。
各支部におけるトラッシュファイア。
錯誤の結果
一度決めてしまったことは、もう二度と取消せない。
──CNオリジナルシリーズ
- 秋落 by Sekai_s
- SCP-CN-5810-EX: Dear Alice by Sekai_s
- SCP-CN-1998: 结晶 by Sekai_s
- SCP-CN-1504: 变古乱常,成仁取义 by SisterTan_Greasy
- SCP-CN-1572: 预定的流程 by sciencekiller
概要
トラッシュファイアは主に「旧き神々」──特にダエーバイト帝国から崇拝されていた4柱──の悪影響を綴っていく。
- 翠色の魔道士The Verdant Mage。炎と毒を司る、雄大にして心なき実体。
- 緋色の王The Scarlet King。暴力と階級を司る、水中の去勢された主。
- 菫色の女王The Violet Queen。煌めく腐敗、簒奪、昆虫に関連する、泣き喚く恐ろしきもの。
- 蟲形の穴を空けるものThat which makes holes in the shapes of worms。空白で知られる悪性の反ミーム。
ダエーバイト、ひいては旧き神々は、イミットから敵視されていた。彼らはかつての奴隷主、ホモ・サピエンス・ディセンサス (Homo sapiens decensus) によって奇跡術の知識を練り込まれた粘土人間たちの文化である。ダエーバイトはイミットの領土へ侵略を始め、それはいつしか存亡をかけた戦いへと発展した。イミットはほぼ絶滅に追い込まれたが、しかし旧き神々の影響をもう二度と戻らぬほどに一掃してみせた。
時が流れ、世の中の様々な派閥がかつて戦った者たちに代わって戦争を始めた。ある者たちは自らの行動の意味を理解して戦ったし、またある者たちは自らの行動の重要性をほとんど理解しなかった。
意外なことに、そのどれもが現代の世界へ紛れ込んだ。死した恐ろしきものの骨からはコミュニティが誕生し、残忍なる者たちの末裔は隣人の内へ溶け込んだ。まあ結局、この世はいつもみたいに馬鹿馬鹿しく混沌としたかたちで進んでいるようだった。
そこに財団がやって来て、ついうっかり何もかもをブッ壊しちまったんだ。
世界観
このカノンで書くことに興味がお有りでしたら:
- 試しに少し読んでみてください!全部ではありません。ざっくり理解できるまでで十分です。
- わからない部分があれば残りのタブを確認してください。
- どんなくだらないことでもUraniumEmpireに聞いて構いません。
カノンの柱
トラッシュファイアのテーマの核は、3つの中心的な柱によって支えられています。
- 秩序vs混沌: トラッシュファイアの舞台は混沌とした冷酷な宇宙ですが、そのいたるところで、とある構造を無理やり打ち立てようとする動きが生じています。この構図は物理学の初歩から宇宙論の全般にいたるまで、あらゆる場面に当てはまります。要するに、この秩序なき宇宙においては、自分の在り方を決めるのは自分であるわけです。
- 社会的生命: トラッシュファイアにも「善」と「悪」はありますが、知性体の作る社会構造に比べれば、カノン内のストーリーにとっては何ら重要なことではありません。皆、自らの信じる「正しさ」"right"のとおりに、物事が「上手く行く」go "right"ことを望んでいるにすぎないのです。
- 失敗: 物事は酷く失敗することでしょう。
小さな柱がこれら3つから建て直されるかもしれませんが、上記の3本柱はこのカノンで執筆する際の最重要事項として頭に入れておくべきです。
トーン
トラッシュファイアの大部分は陰惨であり、大部分は愚かなものです。時にそれらは別々に当てはまり、場合によっては同時に当てはまることすらあります。両方とも当てはまらないこともあるかもしれません。
最も簡潔な形でカノン全体を説明するなら、宇宙的恐怖コズミックホラーをバックに行われるネオノワール5ポリティカルスリラー6といったところでしょう。ですが、これはトラッシュファイアの世界に希望がないということではありません。むしろ、世界がより良くなりうるからこそ、その中で幾多の苦闘が起こるのです。冷酷な宇宙において、炎をこれまでより少しでも明るくする以上に喜ばしいことがあるでしょうか?
カノン運営者の考え
トラッシュファイアは主に、「メイン」カノンという思考への返答です。この思考は、膨大なスキップ、テイル、ログを整理していくことによって、財団の「メインストーリー」にたどり着けるというものです。しかし、そうした思考の問題点は、たどり着いた「メインカノン」が、誰一人として間違っていないのに、ふと気がつけば別の読者のそれと食い違ってしまうことです。往々にして「カノン」というものは、どの設定が最もよく使われているかを踏まえて決定されます。ただそれでも、全員がそれを受け入れられるとは限りません。
これは読者と著者、双方に影響する問題です。読者的には、作品を理解するにはかなりの前提知識が必要だというならば、きっとシリーズを読み始めるのが億劫になるでしょう。また著者的にも、「きちんと理解できていない」という批判があるかもなどと思い始めると、萎縮してしまうことでしょう。
ですので、トラッシュファイアは比較的自己完結的であることを意図しています。ここにある大部分の作品はそれ単体で楽しむことができ、基本的にはカノン内の他作品にばかり依存することはありません。本質的には、これは「公式の」カノンの拒絶なのです。
以下はカノン内における重要なプレイヤーたちの (完全ではない) 一覧です。トラッシュファイアに合わせて作成された団体もあれば、基底GoIを大幅に再解釈した団体もあります。
SCP財団The SCP Foundation
1924年の財団憲章とともにひそかに設立されたSCP財団は、地球上で最も古くから活動し続けている正常性機関の1つであり、カオス・インサージェンシーとの関連を有しています。2019年現在、財団は世界中に約100万人もの従業員を抱えています。もちろん、たった一晩でここまで成り上がれたわけではありません。
財団はエズラ・フィッツウィリアムEzra Fitzwilliam博士の個人事業として始まりました。博士はウェールズ人のWWI帰還兵であり、ソンムの戦い7で発生した異常を初めて目撃した人物でした。大戦とそれが明らかにした怪物、その両者の無益に思える性質を原動力に、フィッツウィリアム博士は”錠前師から強盗に変わった男” エリザベス・マドックスElizabeth Maddoxの手を借りて、人類が二度とそうした恐怖を知る必要のないように動き出したのです。
財団の設立初期は信じられないほどに粗野なものでした。その実現困難な目標のみならず、財団はその内外で政治的問題とも格闘していました──しかし、割り当てられる予算には限界がありました。経済的なやりくりというものは、頭でっかちにもお調子者にも陰謀家にも畢竟付いて回る死活問題なのです。これは、財団内戦がSCPFとCIFとの険悪な関係を生じて終結した際にも、これといって解決されることはありませんでした。
事態が好転し始めたのは90年代になってからのことです。ASCIの解体、GRU-Pの吸収、そして職務の自動化が進んだことで、SCP財団はリソースと能力を大幅に向上することに成功し、彼らが最善 (確保、収容、保護) を尽くすのにより向いたポジションを手に入れました。
あるいは、彼らが最善を尽くそうとするのにね。
CI財団The CI Foundation
財団内戦はこう尋ねました: 「我々は人類自身の問題にも取り組むべきなのか?」
設立から10周年を迎えようとするころには、財団もまた大きく成長していました。かつて数十人だった職員は一千人近くにまで増大していました。何よりも、世界は変化の渦中にありました。ファシズムは癌がごとく拡がり、わずか数年前の世界は大恐慌に揺らいでいたのです。いったい何時の時点から、「保護」は非異常にも適用されるようになったのでしょう?
最底辺のエージェントからO5自体にいたるまで、派閥争いが横行するようになりました。この運動のすべては1936年10月に最高潮に達し、O5評議会メンバー21人の間での加熱した議論は、財団の長き分裂という形で決裂しました。
「カオス・インサージェンシー」財団8は、SCPFと同じく自身を財団の後継者であると考えています。ただしSCPFと異なり、CIFは自身の行使する力は人類の向上のために使用しなければならないと考えています。彼らにとっては、正常性を保護せねばならないだけでなく、善人であらねばならないのです。カオス・インサージェンシー9とマナによる慈善財団は、ただ表現方法が異なるだけにすぎません。
必ずしも彼らが上手くやれるとは限りません。
全米超自然収容イニシアチブThe American Supernatural Containment Initiative
1801年の異常軽減法に基づき創設された全米超自然収容イニシアチブは、新世界10において最も有力な正常性機関の1つです……いえ、でした。それはまた、おそらくは最も酷いものの1つでもありました。
彼らが仕事に不得手だったわけではありません。現代の多くの正常性機関はASCIから相当数の技術を借り受けていますし、特に非奇跡的な記憶処理の運用技術は後世に大きな影響を与えました。実際、財団のネクサス関与戦略も米国農村部でのASCIの活動を参考にしています。いえ、ASCIは異常の抑制に関しては完璧であり、それで終わっていれば全ては薔薇色のままだったのかもしれません。
しかし、以下2つの問題がありました。
- ASCIは同胞である正常性機関とは上手くやれませんでした。この動きの裏にあったことは、
- ASCIの最終目的は正常性ではなかったということです。彼らの最終目的はあくまでマニフェスト・デスティニー11だったのです。
合衆国で財団が活動し始めた際、ASCIはすぐさまその妨害に回り、総力を上げて米国の領土上から財団を追い払おうとしました。皮肉な成り行きながら、ASCI (特にその兵器計画である「ペンタグラム」) が作り出した/悪化させたアノマリーに対応するため、財団の活動量はむしろ増大しました。FBI (少なくとも後の異常事件課の前身) にさえも、ASCIを抑え込むことは困難でした。
ASCIの崩壊は長引きましたが、その始まりは1956年、幾度かの派手な大失敗のせいで、彼らの武装部隊が低迷していったことからと言えるでしょう。そこからは官僚的な管理ミスと見るも明らかな不運によって、最終的には1986年税制改革法での組織の壊滅へと繋がっていきました。
全米超自然収容イニシアチブはもはやありません……ですが、それが残していった混乱は今なお感じられます。
イスラム・アーティファクト開発事務局Office for the Reclamation of Islamic Artifacts
中東での財団の活動は……控えめに言っても、軟弱なものでした。ASCIがいつも通りロクでもないことをし、GOCが結果として生じるあらゆる異常な人道的危機を防ごうとし、GRU-Pが太古の卵殻に躓き、入り組んだ冷戦のごたつきによる全く非異常の不満もが沸き立つ中にあって、この周辺におけるあらゆる行動には決断力と外交力が求められていました。
イラン革命とそれに続くイスラム・アーティファクト開発事務局の設立は、もはや祝福に近い出来事でした。
一連の戦略的提携により、財団はすぐさまこの新参の正常性機関と友好関係を結ぶことができました。ごく単純なアイデアでした──ORIAは訓練と記憶処理薬12を手に入れ、一方の財団は巨大な領土内で安全に活動できるようになりました。ORIAの準自律性から、財団はそれを更に新しいものへ……便利なものへと整形することができました。
異なるものへと。
実際、1988年のイランの政治犯の大量処刑をきっかけにORIAがイラン・イスラム共和国と決裂することになったのは、何ら驚くことではありませんでした。
旧き神々The Old Gods
「アルコーン」Archons、「クリフォト」Qlippoth、「フォルテウト」Voruteut、「存在災害」Ontohazards……旧き神々にはそれは多くの名前がありますが、どれも完全な呼称とは言えません。
旧き神々について詳しいことは知られていません。主な理由は、彼らの概念を表現するだけでも不可解な恐怖に見舞われるためです。一般的な知識では、彼らは多元宇宙の中で最も古く、最も強大な実体に区分され、その存在そのものが現実に忌まれる怪物たちであるとされています。しかし、このことはある疑問を投げかけます──彼らの存在そのものが有害なのであれば、彼らはどこからやってきたのでしょう? 彼らの目的とは何なのでしょう?
おそらくは、彼らの実在に意味などなく、不完全なシステム内にある異物なのでしょう。もしそうだとすれば、この世界の者たちはその事との付き合い方をほとんど掴めていません。ダエーワ、ホモ・サピエンス・ディセンサス、アラガッダといった一部の野心家たちは、権力や知識と引き換えに彼らとの盟約を結びましたが、旧き神々がそうした盟約を理解しているのかも疑わしいです。
特に名の知られた旧き神々には、ヤルダバオートYaldabaoth、ファクトリーThe Factory、緋色の王The Scarlet King、蟲王King Worm、悪精の女王The Unseelie Queen、白の狼The White Wolfがあります。彼らの間に何らかの関係が存在するかどうかはわかりません。
オブスクラ軍団とその後継団体たちObskurakorps and its successors
アーネンエルベ・オブスクラ軍団はその始まりから滅びの運命にありました。ナチスドイツの高官からの要請で創設されたオブスクラ軍団は、以下2つの目的を抱いていました。
- オカルト疑似科学と大衆史を通じた先祖ドイツの優位性の「証明」。
- 必要とされるあらゆる手段による上述した「優位性」の保護。
オブスクラ軍団は、第七次オカルト大戦を引き起こす以前からでさえも、過大な金額をつぎ込まれている虚栄のプロジェクトでした。暴力的かつ歴史無視的な結論から逆算しようとするうちに、オブスクラ軍団は沼地の泥を現実に開いた傷口に擦りつけ、数え切れないほどの超自然的な怪物と狂った戦争機械を生み出しました。
戦争が激化するにつれ、オブスクラ軍団は腐敗を始めました。ターニングポイントとなったのは1943年11月9日です。その日、報復兵器 第零号が4つのドイツ都市を攻撃し、大量の離職を引き起こすとともに (これにはあの悪名高い異常利用特殊部隊Sonderkommando for the Paranormalの同盟オカルト連合Allied Occult Coalitionへの亡命も含まれていました)、SCPFからの再びの注目を呼びました。
最後の最後まで戦った者たちに関しては、大部分は新進の世界オカルト連合が代表を務める裁判にかけられました。残った者たちの多くはペンタグラムに掃討されるか、CIFにより狩り殺される末路を迎えました。散り散りになったままでいた者たちは、最終的に2つの後継組織へとまとまりました。「オブスクラ」と第四帝国です。
「オブスクラ」OBSKURAはかつての大馬鹿者の落とした翳かげです。主に南北アメリカで活動している「オブスクラ」は、現代のネオナチ系テロリストグループとほとんど区別がつかず、墓穴に落ちきる前に「人種戦争」を開始しようと必死に取り組んでいます。
第四帝国The Fourth Reichは全く別の問題です。
「ラス氏」Mr. Rass13によって率いられる第四帝国は文化的ファシストの準軍事組織であり、自らをドイツの正当な後継人であると見なしています。オブスクラ軍団とは対照的に、4Rは派閥争いを嫌い、極右系14全般から新兵を勧誘しています。上手く行けば、財団は彼らに前身と同じ引導を渡してやることができるでしょう。
そして上手く行けば、それは彼らが大事な何かを壊してしまう前に起こります。
Are We Cool Yet?
駆け出しのアーティストであるグザヴィエ・ディオールXavier Diorは、ソンムの戦いでエズラ・フィッツウィリアムと共に、彼が見たものと同じものを見ていました。理由もない惨殺。終わりの見えない、何ともつかぬ怪物が土汚れとともに踏み込んできた塹壕と泥の光景。フィッツウィリアム同様に、ディオールもまたこの事件の証人となっていたのです。しかし、フィッツウィリアムが事態を正しくする機会を見つけた一方で、ディオールは何の展望も見ませんでした。
終戦時、ディオールは公衆の面前から姿を消し、二度と目撃されることはありませんでした。彼を自宅まで追跡しようとしても、老朽化した住宅、いくつかの歪んだ彫刻、そして次のように尋ねる嘲りの言葉しか得られませんでした──「我等は優雅であったろう?」Sommes-Nous Devenus Magnifiques?
ディオールの声明はすぐさまヨーロッパ中の幻滅していたアーティストたちを突き抜けていきました。それからというもの、それは……変化し始めました。拡大。全く新しいものへの進化。かつて20世紀初頭の近代性への冷笑的な批判であったものは、ある1つの質問へと変わりました。
「俺たちはクールだったろ?」Are We Cool Yet?は極めて幅広い運動であり、組織的サロンから不法占拠者コミュニティ、大学の芸術集団に独立アーティストまで、あらゆるものをメッセージで包み込んでいます。AWCY?が何を意味するかは、各作品ごとに大きく異なります。確かなことは1つだけ──物事を修正できるようにするには、まずそれを壊さなければなりません。
そしてAWCY?は創造による破壊を愛してやまないのです。
イミットThe Imit
知的な霊長類の歴史は……控えめに言っても相当に不確かなものですが、人類はそれが紀元前70,000年ではないと知って安心することでしょう。
要注意種族-004 ("Homo postdescensus"/ ”イミット”) はHomo sapiens idaltu15のほぼ絶滅した派生種であり、時の流れに消えた何らかの古代の罰の一環としてHomo sapiens descensusによる遺伝子操作を受けています。ディセンサスの滅亡 (そしてその後の忘却の時代の始まり) 以後、イミットは散り散りになり、狩猟採集民として生活しました。彼らが今日で言うところのMENA16地域において最初の原始文明を形成しはじめたのは、紀元前19500年頃になってからのことでした。
イミットの文化はその前任であるディセンサスから大きな影響を受けており、初期の肉の工芸フレッシュクラフトや構造奇跡術を取り入れていました。しかしながら、忘却の時代と夜の時代を経て、元の背景は失われました。変異の罰は肉体の装飾となり、戦機は守護精霊となり、ディセンサスの残忍な産業の旧神は (一般的には) 蛇のような知恵と光の精霊への畏敬に取って代わられました。
イミットの終焉の始まりは、紀元前8000年代のダエーバイトの拡大、そしてエデンのアベルによる初期の戦勝に対する報復として行われた、その後の大虐殺とおおよそ一致しています。青銅器時代になると、わずかに残ったイミットは世界の暗き隅へと追いやられ、孤独に人の恐怖に耐えることとなりました。
物理的には、イミットはかなり多様であり、身長0.5~3.8mの粘土状の人型実体として観察されます。性別はなく、分裂により増殖します。イミットの食事はおもに腐肉や根菜からなります。しかし最も重要なのは、イミットはディセンサスの念願schemasを祖先からの記憶として受け継いでおり、そしてそれらを実現しようとする衝動をも継承している点です。
しかし彼らだけでは、それは上手くいかないかもしれません。
オルニー鋼業社Olney Ironworks
1886年にカール・クロッターKarl Klotterとチャールズ・オルニーCharles Olneyの手で設立されたオルニー鋼業社は、アメリカ経済における重要なプレイヤーでした。1950年代までには、社はほぼあらゆるパイに手を付けていました──鉄鋼、材木、精肉、電機、玩具、エトセトラ。オルニーは全米での操業に誇りを抱いています17。2018年の破産18以降でさえも、その「やってやるさ」の火花は、見たところでは全従業員の心に輝いています。
もちろん、オルニーはヴェールの上に存在します。主に産業部門に投資を受け付け、そこに出資している持株会社です。いかなる恐怖を召喚することも、世界を支配することも、太陽を喰らうことも、魔法で金儲けをしようなどということすら考えてはいません。上から下まで、オルニーの従業員はただの真っ直ぐな人達です。
……しかし、鋼業社には独自の精神が宿っています。
何らかの不可解な呪い、力、祝福かなにかによって、オルニーには悪い方へ進むという悪習があります。その原因は製造過程であり、親方の言うことを聞かない悪習のある無貌の鋼の神々のせいなのかもしれません。もしかすると炉の中で (ときには外で) 蠢く数多の恐怖のせいかもしれません。あるいは静かな蟻塚のように変化する社のオフィスが関係しているのかもしれません。ともかく、1つ明らかなことがあります──労働者はもはやコントロールできていません。
もちろん、これは普通の工場で起きていることにすぎません。オルニーが名前を明かさないコンサルティング企業やメンテナンス企業をいくつか雇っているのもこのためです。この機械に吹き付けている黒いガスは試験的な防錆剤ですよ。無防備な職員から自我を丸ごと剥がしてしまうらしいですが、それは置いておいて、こちらの秘密保持契約NDAにサインしていただけますか? 無印のトラックで運ばれていく奇妙な金属塊でしたら芸術品ですね。オルニーが地元のアートコミュニティによく寄贈しているんです。この錠剤にはビタミンCがたっぷりですよ。体にいいですし、さあ飲んで飲んで。
ともかく、公式の企業指針は以下の通りです:
- すべては普通です。
- 何もかも普通でないという誤った思いを抱えているのなら、割り当てられた監督官に連絡を。
- 工場の不具合は普通です。工場の不具合を消し去ることも同様です。
- 監督官への報告後に感じる認知的不協和はストレスのせいです。自分のペースを忘れないようにしましょう。
- 時に、全く理解できないものが存在します。
キングオブハーツ・コレクティブThe King of Hearts Collective
キングオブハーツ・コレクティブは、バックドア・ソーホーを拠点に、異常なミュージシャンの集団によって運営されている独立レコード会社でした。2005年にディアの卒業生であるゼンド・ソプラノZend Sopranoとシュエガン・”ブラッド・リー”・キャメロン-ロンXuegang "Brad Lee" Cameron-Longによって設立された (そしてスペードのジャックが協力したため、部分的に組織の命名元になっている) KoHCは、主にヴェールの架け橋として、異常芸術家アナーティストたちが彼らのアートを……または少なくとも彼らの普通のアートを、安全に配布できるようにすることを意図していました。
KoHCは (無力化された) 異常芸術アナートの拡散を促進するために設立されたため、その活動の多くは周囲の異常組織との間に緊密かつ慎重な協力関係を必要としました。その経営陣が反資本主義に偏重していることと合わさり、KoHCは利益の面ではあまり業績を上げられませんでした。しかし、一同はそれで構わないと考えていました。
最盛期には、キングオブハーツ・コレクティブは異常世界で最大のアナート供給業者の1つでした。しかし、それは『スペードのハウス』が吹き飛んでしまう前のことでした。
ワンダーテインメント博士Dr. Wondertainment
ワンダーテインメント博士は以下のような存在です:
- 1854年にシカゴでビジネスを始めようとファクトリーでの仕事を辞めたアフリカ系アメリカ人の玩具職人、ジョン・シュスターJohn Schusterという名の男性が使っていた偽名。
- ジョン・”ワンダーテインメント”・シュスターにより開発されたいくつかの玩具につく、本物のシュスターのオリジナル品であることを確認できるシール。
- シュスターの玩具ラインによって広まった喜びが作り出した、純粋な思念体。
- 言動を通してワンダーテインメントの理想像が具現化した、公にはジョン・シュスターの名で知られる男の真名。
- ワンダーとエンターテインメントを世界中にもっと広めていくため、ワンダーテインメント博士によって創業された会社。
- ワンダーテインメントの精神に感動して喜びを広めることに自らの人生を捧げなおしている、旧マーシャル・カーライル&ダーケ社Marshall Carlyle and Darkeのモーティマー・カーライルMortimer Carlyle博士の後継者。
- 市場での優勢をより確かなものとするため、ワンダーテインメント精神を多様化しようとしてワンダーテインメント博士2世が立ち上げた持株会社。
- 傀儡の指導者になるはずだったが完全にワンダーテインメントの精神に取り込まれてしまった、カオス・インサージェンシー工作員のエージェント ジュバル・ゴランツJubal Gollancz。
- 企業性を増していくワンダーテインメント博士™にすっかり嫌気がさし、自分でワンダーテインメントの喜びを広め続けようと社を離れた男、カルミ・アハロニCarmi Aharoni。
- ワンダーテインメント精神と資本の必要性を和解させようとしている女性、イザベル・パールヴァティIsabel Parvati博士。
- 上のどれでもないかもしれない。
- 上のすべてかもしれない。
ワンダーテインメント博士は以下のような存在ではありません:
- 人々を傷つけたがる。
- ファクトリーとの関係が良好である。
- ワンダーテインメント・ブランドの製品の不適切な使用が引き起こした損害の責任を負う。
マーシャル・カーター&ダーク社Marshall Carter & Dark
マーシャル・カーター&ダーク社 (正式名称MC&D) と、MC&Dの顧客は別物です。
MC&Dの客層は大富豪、それもほぼ世襲財産だけでこの座についているような人々です。退屈した快楽主義者やスリル追求者といった連中の誰も彼もが、新たなもの、独占的なもの、お金で買える中でとびきり目新しい体験の魅力に惹かれています。MC&Dは彼らの手にない希少な品々を提供しており、それらはまさに彼らが望むとおりのものなのです。
MC&Dは目新しさを気にしません。無駄遣いも品のない喜びも、見たところ不可避の死の恐怖をちゃちな小物で食い止めることも気にかけません。
MC&Dの客層は異常世界のNGOです。事業継続のために安全なルートで資金を洗浄しないといけない人々であり、非現実的なものを必要とする人々であり、ほんのちょっと召喚した筋肉のために他の部位が欲しくてたまらないだけの人々です。結局のところ、光のために暗闇の中で殺し合うこの競争は悲惨なものです。
MC&Dは暴力を気にしません。血が流れることも、死も、金にならない血のことは気にかけません。
MC&Dの客層はアンブローズやワンダーテインメント博士™といった異常世界の企業です。「正常性」によって異常の需要は活発化しているかもしれませんが、関わる資本も製造品と同じほどには異常です。そもそも儲けが出ない可能性を考えれば、仲介業者を通すことなど安いものです。
MC&Dは金銭を気にしません。黄金も宝石も、第一の関心事を追求する以上の富は気にかけません。
では、マーシャル・カーター&ダーク社は何を気にするのでしょう? 単純なことです:
権力。
以下はカノン内における重要な地域の (完全ではない) 一覧です。
バックドア・ソーホーBackDoor SoHo
主にハウストン・ストリート19からアクセスできる小型宇宙であるバックドア・ソーホーは、超常犯罪を潤沢に染み込ませた、豊かなアナート・シーンの本場です。
既にご存知でしたらストップと言ってくださいね。故国を追われた民族・宗教の移民たちは、故郷と呼べる場所を求めて20ニューイングランドへと出航します。もちろん、資本主義はまだ存在しています──道路が金で舗装されていようとも、お金は木から生えてはきません。そこから先、町内で死なないようにするには次の2つのうち1つが必要になります:
- 鬱憤をアートに繋げる。
- 資本主義という合法的搾取に対し、犯罪行為という明らかな違法的搾取で対抗する。
紙面の上では、バックドア・ソーホーはUIUによって管理されています。ヴェイルシュテットThe Weilstedt21、「鋳造組合」Molten Tongs22、MC&Dはこの声明を公に支持していますし、妙な詮索はしないようにお願いしますね。
アウター・リヒテンベルクOuter Lichtenberg
ベルリンのリヒテンベルク区からアクセスできるアウター・リヒテンベルクでは、アパート、工場、道路、中庭が不規則に入り組み、最も安定している時でさえも、そこまで整合性のあるトポグラフィにはなりません。
アウター・リヒテンベルクが最初に現れたのがいつなのかは、詳しいことは誰にもわかりません。現存する最も古い記録はオブスクラ軍団の時代まで遡り、ナチス勢力とOLの多数の不法居住者ら23との間に起きた一連の暴力的衝突について記載しています。OLに関する最も広範な文献はシュタージの超自然部門から得られたものであり、彼らはそこに住むアナーキストらの増え続ける抵抗運動に、実質的に対応できていませんでした。これらの観察からは1つの基本的真理が導かれます──アウター・リヒテンベルクの街道というものは、飼いならされるという観念を拒絶するのです。
アウター・リヒテンベルクの住民の大多数は、いくつかの建物に分散した、一連のゆるいコミューンに住んでいます。食物は一連の屋上庭園から調達されています。誰が明かりを点けておいているのか、水路を管理しているのか、疑問に思う人間はいません。
秋晴れの夜にここに来ることがあれば、空を見上げてみてください。この時期の月は特に美しいですよ。
USNVBR-Site-5624
1972年5月16日に設立されたサイト-56は、SCP-001専用の収容エリアとして建てられました。その後、サイトはSCP-378-Bの収容にも手を広げました。またその後には、ネクサス-31 (”スズラン”)Lily of the Valley の常時監視も開始しました。そこからサイトは悪循環に陥りました。
サイト-56はアメリカに4つある収容サイト25のうち、アクティブな収容プロジェクトの件数では2番目に大きく26、規模だけで言えば最も大きなサイトです。収容プロジェクトの大多数は収容・管理施設 (施設A) に追いやられていますが、これは主に56の無計画な増築が原因です。
このサイトのレイアウトは……異様です。SCP-001が逃亡を繰り返し試みたせいで、サイトの大部分は複雑な迷宮のようになっています。最近になってようやく、収容職員の奮闘によって滅茶苦茶なままになっていたトポグラフィにも収拾がつきました。しかしすべてが整っているのなら、ブラックロックの夕陽に勝るものはないでしょう。
トラッシュファイアは少々……規模が大きいかもしれません。全ての連続性27を取り上げると話が長くなりすぎるので、基本的なもののみ取り上げます:
- 異常には明確な/一貫した起源がありません。ある種の異常は普遍的な物理原理28、特定の実体/組織の行動、外部存在の侵入のいずれかにまで辿れるかもしれません。ただし、「正常性」はいくつかの矛盾する原理の受け入れによって成り立っています。
- 多元宇宙は存在的虚空29内に任意の物理性質群の泡沫として存在し、永劫でも、唯一でも、分裂不能でもありません。これはもちろん、曖昧な存在的ロジスティクスに関する巨大で複雑な体系を、大雑把に簡略化したものです。必要となるまではあまり真剣に考えないように。
- 財団は世界を統治しておらず、することもできません。彼らの使命がどれほど野心的なものであろうと、財団は無敵でも全能でもないのです。表向きは同じ目的を抱いていようと、誰もがその行動を称賛するわけではありません。財団はその活動と規模には非常に気を配らねばなりませんし、この事実は1世紀近い苦闘を経てその集合心理に焼き付けられました。理念だけがはるか先へ行っても、予算が問題となるのです。
- 財団職員 (Dクラス含む) の終了は滅多にありません。人は木から生えません。
- 死は (多くの場合) 死です。死んでしまったものは戻りません。少なくともかつてのようにはね。
- (非グノーシスの) キリスト教神学はこの宇宙には全く適用できません。ユダヤ教やイスラム教は正しいものを掴んだかもしれません。そうでないかもしれません。しかし、ローマのような暴力的拡張主義者・日和見的超大国などに乗っ取られてしまった宗教では、世界をきちんと理解することは困難です。
- “ノウアスフィア”は実在しない。それを含めないように。
トラッシュファイアはあまり直線的なカノンではありません。また、その内容的にも、いくつかの作品はそれ以前の作品を読んだあとでこそ、その楽しみが深まります。それでちょっと前に、私はどこから読み始めるべきか立ち往生してしまっている人に向けた個人的な読み順を考えました。
決してこれが本来の順番というわけではありません! 自分に向いていそうなところからご自由にお入りください。
私は気取った著者なもので、良き著者たちから分捕ってきたアイデアをもとに、記事を“シーズン”に分類しています。
シーズン1: “ファイア&トラッシュ”
- 企画案2014-1221: “遂に目を覚ます”
- SCP-4495
- アンブローズ・バックドア・ソーホー
- SCP-952
- SCP-2677
- D-7294's Declassified D-Class Survival Guide
- SCP-5994
- The Last Things Dr. Darryl Loyd Ever Did, in Chronological Order
- SCP-4947
- Baptism of the Wandering Jew by Johnny the Son
- Degenerate Art
- SCP-3721
- Last Minute Resistance
- ナドックスとメカニト
- INTERMISSION: Like a Fly
シーズン2: “個ノ目ンヲ兎エニ”
- SCP-654
- SCP-378
- Are We Gentrified Yet?
- SCP-4776
- SCP-5444
- David Cameron Fucked a Dead Pig
- SCP-3874
- A Cloud Over Lichtenberg
- SCP-4886
- Beef Albini in Fusion Sauce with a Side of Fruit
- Filled To The Brim With Girlish Glee
- SCP-5931
- Ess, Why, Dee
- jacklyn diamandis, accountable to nobody
- SCP-5012
シーズン3: “鮮血の赤”
- SCP-6165
- How To Remove Glitter From A Polyester Dress
- NINEEIGHTNINENINENINE
- SCP-5952
- Qlippoth and Sefiros
- How To Remove Kerosene From A Polyester Dress
- A Dove In A Chicken Pen
- SCP-3178
- i was a teenage shoggoth (Ween cover)
- How To Remove Human Blood From A Polyester Dress
- Irregularity Proposal 2001-498
- How To Remove Spinal Fluid From A Polyester Dress
- Polyester Woman (Epilogue)
シーズン4: “腐った果実”
- SCP-0166
- Let Me Borrow The Map
- Staining Boss's Silk Sheets
- Species of Interest-004
- I want that twink Obliterated
- 企画案2008-041: “世界を燃え立たせる火花”
- A Crack in the Porcelain