思い出:パート3
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リーはいつもしているように時計を確認し、玄関マットの上で止まった。彼は家にいる。擦り切れた赤いカーペットやホコリで汚れ洗われていない窓があり、素晴らしい家では無かったが、それが彼自身の家だった。彼は約3年間彼自身の部屋を所有していたが、両親の予備の部屋に戻りたいとは思っていなかった。ありがたいことに彼らが休日に訪れるのを悩むほどのみすぼらしい外見だった。

母親は彼の大学生活に失望した。彼の工学計画は、彼が大学でそれを行えなかった時にダメになっていた。彼はベストを尽くしたが、環境があまりにも厳しかったのだ。学生ローンから借金をしないために、彼は残りのコインを売らなければならなかった。父親は祖父のコインが失われたことに怒っていたが、祖父はいくらか輝くポーランド小銭と共に刑務所に入るよりも彼の安全を願ってくれた。いや、祖父はそのコインを手に入れるのに多くのことをしたが…、彼は認めてくれただろう。

リーがやっていた仕事は生活費を払うためだった。彼は約3年間銀行でデータを入力し、それで生活費の殆どを支払っていた。住宅ローンと水道代の2つが主で、電気やガスは時おり後回しにされた。その仕事は何もしないよりはマシだった。加えて、その仕事は彼に家の外で過ごす時間を与え、それもまた一人で過ごすよりもマシだった。

郵便は調理台の上に放り投げられて一時的に忘れられ、リーは冷蔵庫の上で横になった。それは殆ど空だが、ソーダが1つ残っていた。彼がグラスと氷2つを準備するのを見ながら、郵便物は待ち続けた。リーは籐細工の椅子を引き寄せ、封筒をペラペラめくって読み始めた。ケーブルテレビや電話会社からの数枚の請求書、空手を学ぶほど悪い奴かいと尋ねる迷惑メール、その他だった。

本当に彼宛の封筒を確かめるために再度チェックしたため選り分けに数分程かかり、開ける必要のあるものを開いたが、どれもが彼がとてもんざりする物だとわかった。彼が進もうと立ち上がった時に椅子の脚はタイルをこすり、その時残りの郵便物の山の下に置かれた赤い封筒に気づいた。

それは紙にただ彼の住所が書かれているだけの地味な封筒で、差出人住所はなかった。リーは疑い深い人間ではないが、にも関わらずこの手紙は彼の中で警告が鳴っていた。彼はそれを振り、つつき、押し、落とし、他様々な悪意ある要素を確かめる試みを行った。手紙はじっとしたままだった。その手紙の正常性に満足し、角から角へとゆっくり破いて彼はそれを開いた。中に手を入れると、紙は入っていなかった。一枚のポラロイド写真のみだった。

これだけ?リーはその写真に目を凝らした。彼はそれは自分の写真のはずがない確信していた。どうすればそんなことがあるというんだ?当時から残っている物は何もないんだ。彼は瞬きし、目をこすり、再び写真を見た。写真に変化はなく、冷淡に彼と向き合っていた。それは彼とシンディとアンディだった。写真の中の彼らは間抜けな顔で笑っている。リーは瞬きし、彼が再び座ったことで籐細工の椅子はきしんだ。

これは1976年にラスティや他の皆と一緒に行った旅行のものだった。それはとりわけ楽しい旅行ではなく、ほとんど帰宅した後の大学の騒動ばかりが思い浮かんでくる。カーク・ロンウッド高校は彼が楽しかった最後の時間の一つだった。郷愁のお馴染みの巻きひげが彼の肩の上を這い始めた。

君は彼らと共に家に居るべきだ。

リーは頭を振り意識をはっきりさせようとしたが、成功しなかった。写真が彼の指から滑り落ち、調理台の上にひらひらと落ちた。彼は目を閉じ、自身に言い聞かせた。僕は大丈夫だ。ここには僕のちゃんとした目的が有り、僕は僕らしく生きている。今さら戻ることは馬鹿げたことだ。目を開けた時、手紙の裏にメッセージが殴り書きされていることに気付いた。

最高の一年だったわ! またすぐに会えることを祈ってる!

~愛してるわ。シンディより XOXOXOX

その夜、リーはなかなか寝付けなかった。写真の絵、赤、友人の運転、聞こえているラジオ、その夏からの他全てが一気に戻ってきていた。シンディがキスした彼の唇に触れ、彼は唇をすぼめて今の生活について考えた。過去に拘ることは何の役にも立たない。明日までにその写真はナイトスタンドから外してゴミ入れに入れよう。

今日俺たちは後でアミューズメントパークに行くんだ。ラスティとアンディが運転手とナビゲータメカニックを見つけられたらな。どうやら、あいつらはそれぞれを見つけるために何かアイデアがあるみたいだった。俺が買って出たいけど、それはきっとよりもっとややこしいことになるんだろうな…

アラームの大きな音がリーを眠りから引き離し、彼はぞっとしてひきつけを起こした。ベッドから起き、シリアルスコーンを2つ食べ、ミルクは飲まず、髪を梳かして髭を剃り、シャツ・パンツ・靴を装い、コートのボタンを止めるため鏡に向かい、ボタンを正しくかけ直し、それから外出した。写真のことを呼び起こすグレムリンに少し苛々したことを除けば、平穏な1日だった。退屈な時は、あの旅行でどこに行ったかについて考えてみた。それは本当に重要だったのだろうか?

写真はまだそこにある。ゴミ入れはそこにあるから、これを最後にすることもできる。もしかしたら彼が家に帰って欲しくない頑固者からかもしれない。そうすると更に写真が送られる場合に備えて、写真を持ち続けるべきかもしれない。念のためだ。最終的にその写真はジャケットのポケットに押し込まれた。

あの一年間は青く…その夏は大切な物だった。今も昔も、起こった全ての事はあの旅行に起因している。丸一年をあの最後の夏のための準備期間とし、そして無駄に過ごした。しかしその夏は、心配事が無くやりたことが出来た彼らとの最高の時間だった。準備期間の年として素晴らしい最後だった。とっさに彼は写真に触れようとジャケットのポケットに手を入れた。写真はそこにあった。

以前の日々の辛い記憶が懐かしいより嬉しい記憶に代わり、その夜はすぐに眠りにつけた。その旅行以前にも、学校での全てが素晴らしい時間だった。バンドは楽しかった。そこは彼がシンディと会った場所だ。彼らはバンドメンバーとしてパートナーになり、彼女と助け合った…。リーは顔をしかめ、写真を見返した。シンディはどこで彼と会ったんだ?

…たしが聞いた限りでは、くだらないお金の話はこれで最後よ」彼女は彼に微笑み、彼は仕草で返した。学校は幾分か大変な時期だったが、彼女と話せる場所だった。その土地ダウンタウンが補うことができていたかどうかについて考え-

"失神"

リーは癇癪を爆発させ、周囲にあったものを掴んでベッドの外にグシャグシャにした。耳鳴りが聞こえて彼はとっさに耳を手で塞ぎ、唇をかんだ。どうして"失神"のことを忘れていたんだろうか。なぜそれを思い出すべきなんだろうか。ベッドから転げ落ち、ズキズキ痛む頭を抱えた。ロンウッドで何かを……していた。ビクッとし、彼は耳から血が滴り落ちているのに気付いた。血は唇に溜まっていた。

"失神"について何かがあった。思い出せ。彼らは君を覚えている。記憶の断片が意識内に溢れかえっていた。卒業できなかった学校…バンド仲間…そして"失神"。彼らは学校でのグループで、彼らは街からそこにいて…いや、それは違う。リーは血を拭い、サイドテーブルにある写真を見た。同じように見えた。耳鳴りが大きくなる。

リーは聞いた。

本当に申し訳ありません。ここでは貴方が幸せではないと知っています。その事ついて謝罪します。時間をかけて全体の落ち着きを確認しさえすれば、欲求不満や恐れと共に働くことを厭いません。我々の多くが傷つき、目標の為の人柱となっていることを知っていますが、我々は音の為だけに潜在能力を最大限発揮するための練習を行います。場所ではなく、この時間を掛けて言われるものを好みます。人々と共にいなければ、美しさもしくは別の物を作るために働きます。成し遂げたいことは、人生のオーケストラをつくり上げることです。役割を全うしている物は全て、グランドシンフォニーで一つの音符となります。

序曲の為に立ち上がって下さい。

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