非日常の事件
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オハイオでクリスマス季節とは、至る所で電飾が輝き、ひかえめに雪が降り、いつもは世間のくずである人々が救世軍やその同類にいくらかでも寄付するのを意味していた。今では、それは電飾がまだ輝き、雪はクリスマススペシャル番組のテレビスクリーンにだけ存在し、世間のくず…まあ、彼らは赤いウールのビーニーに、白く長いスカーフ、茶色のコートを着た一人の女性とともに麻薬を売買するのを意味している。彼女の目の下の化粧は8倍エスプレッソとロケット燃料の混合物でハイになり、五年間起きっぱなしのように彼女を見せていた。

イヤホンから聞こえる彼女のパートナーとある建物の上から幾人かのエージェントが観察している間、彼女はスカーフをいじっていた。これは古典的な釣り針作戦だった。ディーラーが、たぶん2、3人の友人を連れてやってきて、彼女にドラッグを売りつける。彼女はいくつか買い、男の子たちは売り上げを隠れ家に持って帰る、そこを捕まえる。古典的なハニーポットは、すでに古すぎる。彼女はディーラーたちが見抜いているのではないかと恐れていた。

彼女は両手に息を吹きかけ、震えた。彼女の手はコートの下、彼女自身を守るための銃をかすめた。彼女のパートナーがこうしていなかった理由は彼女の知る範囲外だったが、女性たちはいかなる種類の規定の執行も紹介してもらえそうになかった。セクシズムが役にたった数少ない機会の一つだった。

すぐに、彼女はブーツが歩道を蹴る音を聞いた。向き直ると金属のブリーフケースを持った二人の男(心にある言葉が浮かんだ後、彼女はクエスチョンマークを浮かべた。彼らがこんなに着込んでいると彼女は知れなかったのだろう)を見た。センスがいいわね、彼女は思った、下級のシンシーディーラーにしては。

彼らは彼女に歩み寄りケースを開け、にやりと笑った。彼らは輝く緑の中に、青い点が散らばっている粉でいっぱいのガラスの小瓶をいくつか見せた。彼らは腐った歯を見せながら口をつり上げ、そのうちの一人が喋った。

"見たか、嬢ちゃん?V.D..100%ピュアなスピリットダストをヴィクの塊に混ぜ込んだものだ。日本から直輸入だ。イカれたトリップに直行出きる。"彼女が自分の声で伝えられるよう、男は狼のように吠え、けたたましく笑った。"いいブツだ。いくら出す?"

"ねえ、"女は言った。"あならがそれをヴィクと混ぜていたら、ちっとも純粋じゃないわ。価値が100まで減ってしまう。そうね…匂いはどうなの?"

ディーラーは顔をしかめ、麻薬にやられた口を見せた。"匂い?"

"ええ、匂い。いい匂いは何にも似ていないわ。悪い材料の匂いは腐ったホモの血に似ているの。"彼女は手を差し出した。"さあ、もし上物なら、200上乗せするから。"

ディーラーは不平をもらし彼女にケースを突き出した。かわりに、彼女は一瓶取り、栓を抜き、顔に近づけ、ブリーフケースの内部に小型追跡装置を忍ばせた。そしてスピリットダストの匂いを嗅いだ。その匂いは何にも似ていないわけではなかった。現実の匂いで言えば、あなたの手の中にひろげたパテのような匂いだ。あなたが今どこにいようとも実際にそういう風に匂う。女は広大なベンジャミンのうちのどれかをつかんでいるように感じ、にやりと笑った。"ご親切にどーも。"ディーラーは勘定を数えパートナーに渡した。パートナーはそれを掴み顔まで持って行き、食べた。女はこれにまばたきした。"わあ。"

"何か問題か、嬢ちゃん?"ディーラーがにたりと笑った。"銀行屋を見たこと無いのか?こいつは金を食うしクソとして印のない勘定を出す。こりゃいい、ときどきこいつは金を出すんだ。"

"使えるわね、"女は耳をひっかきながら言った。"どうやってこの人はやってるわけ?"彼女はイヤホンからパートナーがののしるのを聞いた。彼が"キャン・マン(Can Man)"とわずかに強調しているのを彼女は拾った。ディーラーは肩をすくめた。

"俺は聞いたことないぜ、嬢ちゃん、お前もすべきじゃねえな。"ディーラーは笑い、彼の銀行屋の仲間と喋りながら去っていった。彼らがいなくなってから、彼女は耳の中で声を聞いた。

"特別エージェント・マックアリスター、聞こえるか?こちらはエージェント・クリストマン、オーバー。"

"わたしはここよ、ダーネル、そんな堅くならないで。"彼女は彼に粗相をするのをためらった。"オーバー。"

"プロトコルだ、マック。ここから大きなボウヤたちが去るのを確認した。オーバー。"

"いくらか商品を入手したわ。彼らは、そう、あの物質の小瓶を10本くらい持ってる。オーバー。"

"了解した。車に戻れ。オーバー。"

"彼らの後を追えば、彼らが追跡者に気づいてブリーフケースを置き去りにし、私たちが商品を入手できるチャンスよ。いいプランだわ。ヒギンズが考えたの?オーバー。"

"我々は彼らの影をすでに掴んでいるのだ、クイン。馬鹿なまねはするな。オーバー。"

"ダーネル、わたしはいつも馬鹿なことをしてるの?"12月の夜の暗闇に二人の人間が去った後エージェント・マックアリスターは歩きながら尋ねた。"少し手柄をちょうだい。オーバー。"

"…ハーレーに電話していいか?彼女に君が帰るのがまた遅くなると?オーバー。"

"あなたがそんなに親切ならね。オーバー、そしてアウト。"クインはイヤホンに言い、それを押し込み彼らを生真面目に追い続けた。彼女は彼らが携帯ドアやインスタントホールやらそれに似たものを使っていないことを祈っていた。


シンシナティの西側は確かに街のすてきな部分ではない。秘密でもなんでもないが、認めてしまえば、最悪の場所であるラインを越えてしまえば、著しい改善が見られる。また、クリーブランドのいくつかの部分(もしくは、クイン好みに言えば、'世界のシリアルキラーの首都')と同じくらい最悪なところはないが、今も治安は少し悪いままだ。正直に言って、もしここで奇妙な出来事が起こった事実がなくても、彼女は悩まされ、精神科医に感情の制御の仕方を尋ねただろう。しかし、これは非日常だった。なので彼女はこういうことをしなければならなかった。

なので、クイン・マックアリスターは寒い12月の夜の中をとぼとぼと歩き、人々を半神に変えるドラッグを作るのか売るのか、あるいはその両方をしている、そして金を食べる友人がいる男の後をつけていた。そして彼女が考えられることといったら、ここに彼女を導いた人生の決意は何なのかということだけだった。

それでも、彼女は辛抱強くひとつのコーナーかひとつのブロック分後ろに隠れ、彼女の標的を追い続けた。彼らは深夜、窓から漏れるテレビ番組の光や、きちんと動作している季節の街灯や、通り過ぎる車のヘッドライトに照らされていた。そして、いずれにせよ彼らは追いやすかった。ディーラーは、空き缶を蹴ったり車の窓をバールで叩いたりして遊んでいた。クインは覚醒剤でゴードン・フリーマンに関係したスラングを半分考えていたが、後々スナークを守るためには最善だと決心していた。

すぐに、追っていた二人はクインも見たことのあるもっともステレオタイブな見た目のドラッグラボに着いた。割れた窓、何かとても違法なものの…強い匂い、いたるところにある様々なギャングの奇妙な落書き、ひっくり返ったくず入れ…すべてがいい演出だった。

落書きの一つが彼女の目を引いた。彼女はそれを別の、街の治安の悪い場所で以前見たことがあったが、それはいかなるギャングとも結びつかないものだった。それは四分割のセットに見えた。左上に三分の二ほど描かれた三角形、右上に数字の2、左下に正方形が描かれていた。奇妙なことに、柔らかく光るチョークが使われているようだった。冷光チョークね、クインは推測した。

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少しして、彼女は建物の住所を確認し、それを電話で連絡した。彼女はまぬけではなかったし、バットマンでもなかった。彼女はおそらく異常な構成員のいる建物を個別に考えることはできないと十分わかっていたので、チームに連絡するのがおそらくベストだった。

しかしながら、彼女がイヤホンに向けて話していたとき、彼女は後ろで間違いようもなく10ミリのピストルのカチリという音を聞いた。"おや、おや、おや…嬢ちゃんはサツだったのか。いやそれ以上…嬢ちゃんはスキッパーか。"

"…もう一度嬢ちゃんと呼んでみなさい。できるものなら。"ベストなのは彼を喋ったままにすることだ。麻薬常習者たちはにやにやするのが好きだ。

"嬢ちゃん。嬢ちゃん嬢ちゃん!嬢ちゃん。"麻薬の副作用が表れた口で、ディーラーは銃を向けたまま、彼女の周りを歩き、正面に立った。"そりゃテリーについて何も言わねえよな。"

"あなたの'銀行屋'は私がこの街で見てきた中ではちっとも奇妙じゃないわ。"クインは目を動かし、彼の前でひざまずいた。"それに、私はクソッタレなスキッパーじゃないわ。私をそう呼ばないで。"

"じゃあ何なんだ?野次馬か?"

"いいえ。"

"…おいおい?お前たちはいっつも蜂の針みたいにふるまって—ああ!"麻薬常習者のディーラーは笑った。"UIUシリーズか!いかしてるぜ。"

クインは微笑し、上を向いて彼を見た。"本当に?それがあなたたちの思いついた一番ぴったりなあだ名?使い道のない間抜けの組織(Useless Idiots Unit)じゃなくて?"クインは必死に彼を喋らせたままにしようとした。

"だまれ。UIUシリーズがへんぴな路地で死ぬのを気にかけるやつはいねえ。スキッパーどもはただ…踏み込みがまずったかなんかだと言うだけだろう。"彼は銃のセーフティを解除した。 "お前の何処撃って—"

麻薬常習者の喋りは鼻への一撃によって中断された。それはわずかにかすめただけだったが、にもかかわらず彼をよろめかせた。彼は痛みに怒り、鼻をこすって怒鳴った。"ああ..お前…"彼はその言葉とともに前進した。"ファッキン…ビッチ!"彼は銃でクインを狙った。

トリガーを引いたそのとき、クインは彼の腕を掴みねじり上げた。銃は彼女の耳の側で発射し、銃弾が彼女のビーニーをかすめ音を立てた。彼女は騒音に顔をしかめ、銃を彼の手から離すため強い一撃を加えようとした。上手くはいかなかった。彼は万力のようにしっかり握っていた。

幸運なことに、麻薬常習者は発砲によるショック状態にあり、しばらくの間手の中に銃があることを忘れていた。彼はクインの胸を殴り、彼女はあばらに衝撃を感じたじろいだ。その音が彼女の副腎を覚醒させ、純粋な暗黒物質からポット一杯分のコーヒーを作らせた。麻薬常習者のすべての行動がゆっくりとして見えた。

クインは痛みにもかかわらず、彼が再び銃を撃てるようになる前に彼を気絶させようと蹴り上げるために腰を動かした。一つのよく鍛えられた蹴りが、彼に向けて収縮したタングステンのツェッペリンのように放たれた。そして彼の頭は歩道に結婚を申し込み、彼は気絶した。

クインは状況を無線で連絡し、そして迅速に建物に立ち入るのを続けようとした。危険が過ぎ去った今、彼女はアドレナリンに静まるよう言った。あばらはひどく痛んだ。重大なことではないが、痛かった

FBIの部隊が到着したとき、クインの内分泌系は震えているにもかかわらず、立つことが出来るよう埋め合わせをしていた。エージェント・クリストマンが彼女の方にやってきて、歩道にのびている麻薬常習者のディーラーを見た。"…君か、マック?"

"そうよ、"クインは血の固まりを吐いた。彼女は殴られたとき舌を噛んでいた。"クワンティコのトレーナーたちは君に大変な才能を用意したな。"彼女はFBI強襲チームで一杯のトラックを見てにやりと笑い、建物まですばやく追いついた。彼女は彼らとともに行こうとはしなかった。彼女の仕事は済んでいた。


カーラ・ボス: 今日早朝、何人かのディーラーが、東ウエストウッドの彼らのドラッグラボに対するFBIの踏み込みの際ストッキングの中に石炭の塊を入れた。そのラボはうわさによれば、FBIが民衆の不安を懸念し公表していない、LSDに似た幻覚剤をつくっていたらしい。踏み込みはスピアークロスプロテクションズという、その資産に計り知れないほどの興味をもつ民間警備会社の援護とともに遂行され…

クインはこれを8時のニュースでうぬぼれた表情を浮かべながら見た。彼女の妻が隣に座っている間、クインはコーヒーをちびちび飲んでいた。ハーレー・スターリングは彼女に笑いかけた。"いい夜だった?"

"ええ、"彼女は言った。"誰もこの方法はしていなかった。プラップスはわたしの仕事に対する賞賛の手紙について考えているわ。私は私がなにもかも上手くやったとは考えてないの。ただこの辺に何ダースもある麻薬ラポを一つ潰しただけ。"

"ハニー、"ハーレーは言い、彼女の頬にキスした。"貴女は上手くやった。今は、たぶん仕事のために上手くやるべきよ。"

クインはうなずき、彼女のコーヒーを終わらせ、彼女の妻にさよならのキスをした。そして自身の黒いステーションワゴンに向かった。彼女はシンシナティの朝を車で走り、いつもの朝の後ろの彼女の日常に別れを告げ、非日常の中へ入っていった。


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