探し歩くもの
評価: +1+x

私は歩いていた。
自分が何者なのか、何処から来たのかは覚えていない。
一つだけわかっているのは"何か"を探していることだけだ。

なぜ"何か"を探しているのかはわからない。
自分の意志なのか、それとも誰かに唆されたのだろうか。
だが、それも歩き続けていればいつかはわかるだろう。

どれだけ歩いたのだろうか、辺りはすっかり暗くなっていた。
もう"何か"は見つからないんじゃないか、そんな風に思ったがひたすら歩き続けた。

不意に脚が止まった。
何故止まったのかすぐに理解した、この場所が"何か"だったのだ。
思い出した、ここでやるべきことがある。

ちょっとした作業なのにかなりの時間がかかってしまった、利き腕がうまく動かないからだろう。
やるべきことを成し遂げた時にはクタクタに疲れてきっていた。
これでもう歩く必要は無い、満足した私はまるで死んだように眠りについた。

ここで暮らすようになってからどれだけの月日が経っただろうか。
酷い大雨の降った日の翌日、私は男の悲鳴で目が覚めた。
男は恐ろしいものでも見たような顔をしたあと、一目散に何処かへと走り去っていった。
それから数時間もしないうちに、警官と野次馬が私の周りに集まってきた。
警官たちが何処かに連絡しようとしているが、周りの声がうるさくてよく聞こえない。

しばらくして今度は怪しげな男たちがやってきて、警官と野次馬を追い払った。
そして、男たちは私を車に乗せて何処かの施設へと無理やり連れて行った。
そこで体を調べまわされた後、男たちは私に銃を向けて──


収容記録SCP-396-JP-██

20██/██/██、██県██市の河川敷でSCP-396-JPを発見。前日の豪雨の影響からかSCP-396-JP-1の大部分が地表に露出していた。
SCP-396-JP-1は残っていた肉片のDNAから同市在住の██氏だと判明。
発見されたSCP-396-JPは調査完了後、火炎放射器での焼却処分により終了。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。